ダムカードの見方 <表面>

-
① ダム名
ダムの名称が記載されています。建設中のダムには「(建設中)」という文字が入ります。 -
② 写真
ダムの写真です。中には、水理模型実験用ダムの写真を使ったものもあります。 -
③ 目的
そのダムの持つ目的です。アルファベットで記載されています。
これらが表す意味は以下の通りです。- 洪水調節・農地防災
- 町や農地を洪水から守る役割。
- かんがい用水
- 稲作などに使用する農業用の水を確保する役割。
- 工業用水
- 工業で使用する水を確保する役割。
- 消流雪用水
- 積もった雪を流す水を確保する役割。
- 管理用
- ダムで使う電気を水力発電によって作る役割。
- 不特定用水、河川維持用水
- 河川の流量を保つ役割。ダムができる以前から使用されていたかんがい用水も含まれる。
- 上水道用水
- 飲み水である上水道用水を確保する役割。
- 発電
- 水力発電をおこなう役割。
- レクリエーション
- ボートなどのリクリエーションの場を提供する役割。
-
④ 型式
ダムの型式の分類です。
型式がアルファベットで記載されていますが、その意味は下記のとおりです。
※G+Rなどの表記は、2つ以上の型式を持った複合(コンバイン)ダムです。- アーチ式コンクリートダム
- 円弧状のコンクリートで、水圧を周りの岩盤に流して水を堰き止める構造。
- アース(フィル)ダム
- 土を底辺が広い三角形状に盛り、水を堰き止める構造。
- 重力式コンクリートダム
- 底辺が狭い三角形のコンクリートで、水圧を自身の重さで受け止め、水を堰き止める。
- 重力式アーチダム
- アーチダムと重力式コンクリートダムを併せ持った構造。
- 重力式コンクリート・フィル
複合ダム - 重力式コンクリートダムとアースダムまたは、ロックフィルダムをつなげた構造。
- 中空重力式コンクリートダム
- 中が空洞になった三角形のコンクリートで、水圧を自身の重さで受け止める。
- 稼働堰
- 高さ15m以下の稼働ゲートを持ったダム。
- ロックフィルダム
- 底辺が広い三角形で、中央の粘土で水を堰き止め、周囲に盛った岩で水圧を受け止める。
- 表面アスファルト
遮水壁型フィルダム - 底辺が広い三角形をしており、上流面に張られたアスファルトで水を堰き止める。
-
⑤ バージョン情報
ダムカードのバージョンと作成日は、“Ver.1.0(2007.07)”というフォーマットで記載されています。
Ver.のあとにつづく数字はダムカードのバージョン、カッコ内の数字は作成日を表しています。
なお、多少の訂正ではバージョンアップをおこなわないという決まりがありますが、近年はそのルールから外れたダムカードもあります。
ダムカードの見方 <裏面>

-
①所在地
ダムの住所です。中には2県にまたがるダムもあります。 -
②河川名
ダムが所在する河川名です。その河川の水系も記載されています。 -
③型式
ダムの型式が記載されています。発行が古いカードは、「形式」と表記されているものもあります。 -
④ゲート
装備されている放流設備の種類と数が記載されています。放流設備が多いダムの場合、一部が省略されていることがあります。
また可動式のゲートを持たない場合は記載されていないこともあります。放流設備は、ダム見学を楽しむ際の重要アイテムです。 -
⑤堤高・堤頂長
ダムの高さである堤高、ダムの長さである堤頂長が記載されています。 -
⑥総貯水容量
ダムが形成している貯水池の容量が記載されています。 -
⑦管理者
ダムの管理者が記載されています。大多数のダムは管理者が単一ですが、複数の管理者を持つダムもあります。 -
⑧本体着工・完成年
本体着工はダム本体の建設に着手した年を、完成年はダムが完成した年を表します。ダムは施工開始から完成まで相当の年月がかかるので、2つの日付には大きな差があることが通常です。なお、完成年は、工事的に完成した年や、運用を開始した年が記載されている場合などがあり、まちまちです。 -
⑨URL/QRコード
ダムのオフィシャルページ等にリンクしているURL、QRコードです。サイトのURLが記載されているものや、QRコードがついているものがあります。 -
⑩ランダム情報
ダムやダム周辺の情報が記載されています。 -
⑪こだわり技術
そのダムならではの特徴的な事項や技術が記載されています。中には、写真や図を用いてるダムカードもあります。
統一デザインのフォーマットは上記のとおりですが、ダムカードによっては異なる記載方法を採用しているものもあります。
このページに掲載している内容は「ダムカード大全集Ver.2.0」(スモール出版)のものであり、著者:宮島 咲氏より許可をいただき引用させていただいております。